ね?キスしよ!

「カクテルきたよ。乾杯しよう」

男性がカクテルをフランソワーズに差し出す。渋々フランソワーズはカクテルを受け取った後、男性とグラスを合わせた。

「乾杯!」

「か、乾杯」

男性が一気にカクテルを飲み干す。フランソワーズもグラスに口をつけようとした。その時である。

「何やってんの!」

大きな声と共に、フランソワーズの手からグラスが奪われた。顔を上げたフランソワーズは驚く。

「キク……」

汗を流し、息を荒くしたキクがフランソワーズの隣にいた。そのまま彼はフランソワーズの手を引き、クラブを出て行く。フランソワーズはキクしか見えなかった。ただ、心臓の鼓動だけがうるさかった。



クラブから出た後、キクにフランソワーズは手を引かれたままだった。人が少なくなったところでようやく手が離れる。フランソワーズをキクは睨み付けていた。

「何してんの。あんだけ僕のこと「好き」とか「運命の相手」だとか言ってたくせに!」