ね?キスしよ!

フランス・パリ。ファッション、ブランド、ルーブル美術館やエッフェル塔などで有名なこの街には、ヴァンパイアが人に紛れて住んでいる。

「フフッ。今日も完璧」

フランソワーズ・ロランは鏡の前に座り、メイクをしていた。フランソワーズにとって美を追求することは命そのものだ。カールの控えめなまつ毛をした紫の瞳、ピンクブラウンの髪は美しくシニョンに結い上げ、衣服の下に隠れて見えない下着も毎日気合いを入れて選んでいる。

白く華奢な指にはネイルが綺麗に塗られ、お気に入りのローズ系の香水を身に纏い、唇にはマットな赤いリップを塗る。

「さて、彼に挨拶に行きましょう」

フランソワーズはドレッサーの前から立ち上がる。細いが高めのヒールのある靴を履き、お気に入りのブランドのバッグを片手にフランソワーズは家を出た。少し冷たい空気が白い肌に触れる。

パリの人たちはみんなおしゃれだ。そしてみんな、どこか自身に溢れている。そんな中、フランソワーズにみんなが注目していた。道を歩くフランソワーズを、みんながまるでランウェイを歩くモデルを見つめるような目を向ける。