俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~

 綾乃は、目を開く。――結婚とは。家庭とは。理想をぎっしり固めた砂糖菓子のようなものではなく。甘くて苦いチョコレート。自分や相手の負の側面と向き合う必要に駆られるが――

 乗り越えられる。

 大好きなホットケーキを目の前にし鼻を開く優香。フォークを手に合図を待つ愛花。穏やかな目で見守る丈一郎――を見ているうちに、綾乃は、確信したのだった。

 子どもたちが待ち望んでいた瞬間は、それから一秒足らずでやって来た。

 みんなで目を合わせ、



 ――いただきまぁす。


<完>