俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~

 子どもは、ひとりで、懲り懲りだ。

 別に帝王切開をしただとか、難産だったわけでもない。なのに。彼女は、そう思うのだった。出産をした日。

 トイレに行くのも介助が必要で――からだじゅうが悲鳴をあげていて。助産婦の手を借りねば排泄すらままならない事態に、ああ将来介護が必要になったときにこうなるんだわたし――と、悲しみに胸を切りつけられたようになったし。トイレのお水が真っ赤に染まった。あれもショックだった。巨大なナプキンをつけたのも介護を彷彿させたし、あれが翌朝真っ赤っ赤だったことにも少なからず衝撃を受けた。

 入院生活は言葉で言い表せないくらいに大変だった。大部屋で、ひっきりなしに誰かの赤ちゃんが泣いていた。帝王切開で出産した女性も多く、あの独特の歩き方を見るたび、ああ痛かったのねと――辛い痛みに耐えた自分を慰め。同士に内心で声をかけるのだった。――本当にお疲れ様です、と。