『顧客』の声を思い返す。リアルで子育てをしている両親よりも、孫の世話をする祖父母世代から話を聞くことが多かった。圧倒的に多かった声は、いろいろしてやってんのに、感謝しない、嫁。息子夫婦のリフレッシュのためにと孫を預かってやったのに、礼を言わないとか。特定の食べ物をあげると露骨に嫌そうな顔をするとか。授乳中もスマホを離さず。スマホアプリに子守をさせる。
彼らの語った悪しき嫁のイメージと目の前の妻が重なった。たまらず、「おい」と声を発した。
「……なぁに」ぎゃあぎゃあ泣く優香に顔を歪めつつ綾乃が振り返る。
「あのさあ。嫌々育児するの、やめろよ。そういうの、絶対優香に伝わると思うぜ」
「……っ」なにか、言いたいことが出てきたのだろうが、抑えこむ綾乃。どうやら彼女は『行動』を選択したようだ。ぷい、と綾乃が背を向け、そして、泣き続ける優香に声をかける。大丈夫だよー、ママがいるよー、と。
正しいことを言ったのに、そんな顔をされる意味が分からない。
短時間のあいだに二度も無視されたのも、解せない。なんだろう。育児をすると極端に性格が悪くなるとでもいうのか。
彼らの語った悪しき嫁のイメージと目の前の妻が重なった。たまらず、「おい」と声を発した。
「……なぁに」ぎゃあぎゃあ泣く優香に顔を歪めつつ綾乃が振り返る。
「あのさあ。嫌々育児するの、やめろよ。そういうの、絶対優香に伝わると思うぜ」
「……っ」なにか、言いたいことが出てきたのだろうが、抑えこむ綾乃。どうやら彼女は『行動』を選択したようだ。ぷい、と綾乃が背を向け、そして、泣き続ける優香に声をかける。大丈夫だよー、ママがいるよー、と。
正しいことを言ったのに、そんな顔をされる意味が分からない。
短時間のあいだに二度も無視されたのも、解せない。なんだろう。育児をすると極端に性格が悪くなるとでもいうのか。



