アヤカシKiss

「何の…事?」

男は顔に手を当て、答えた。

「儀式が始まったんだよ…。
花恋…お前はもう俺の物だよ。ははっ。」
 
言っている意味がわからない。
私がこいつの物?
どういう事?
儀式って何?

そう頭で言われた言葉に混乱していると…。

「花恋には分からないよ。
〝音”がなったんだ。
それと〝呪言”が花恋の言葉で解き放たれた。
こんな早く手に入れる事が出来るなんて…。
俺は運がついてるな。」

何を言ってるの?
この男は…
急に頭でも可笑しくなったの?

「あぁ、花恋には分からないよな。
今、自分がどんな姿になってるのか…」

「どん、な、姿…?」

「ほら、見てみろよ。
綺麗だよ。〝華怜(かれん)”」

「…私の…すが、た?」

男は空間から手を出す。

「覗いてみろよ。」

男は鏡らしき物を取り出した。
私は恐る恐るその鏡を自分の姿を映す。

「……き、れい。
これが、私?
…ふふ。美しい…。」

その姿は頭から角が、生えており
髪は白に
顔は白色な美しく、口紅は赤く染まっていた。
 
その姿はまさに…

「女神様みたいだよ…華怜。
俺の大切な人。」

音が聞こえる…。
何の音だろ?

優しい?
心地良い?
違う。

痛い…。
痛い、苦しい。

言葉が…
ある言葉が聞こえてくる…。
何の?

かれん?
誰の名前?
そもそも名前なの?

私には違う感覚な気がした。
かれん…
いつも誰か、
愛おしく〝それ”を呼んでくれた…

誰?
大好きなはずなのに…。

「それ以上、考えるな。
お前を縛って
支配してるのは、もう消えた…。
これからはこの俺…
鶴(つる)が華怜を愛してやる。
一生、な。」