アヤカシKiss

「はぁ、はぁ…。
どこ行ったんだ?
花恋…。」

花恋がいつも居そうな場所にいない。

花恋が悲しくなるといつも居るのは
コンビニの野良猫が集まる裏の自転車の駐車場。
 
花恋が楽しい気分で俺を待つのは
いつも楽しかったあの公園の中。

そんな花恋の感情…
俺が知ってる花恋を探しても、
何処にも花恋の姿はいなかった…。

見つからない…。
どうして…何故?

「…花恋…。
どうしてお前はこんなにも俺を惨めにさせる…。
頼むから…。現れてくれ。」

俺は願った。
また、失うのが怖い…。
俺の力じゃ…。
今の…今の、力じゃ駄目なのか…?
もっと…強い力が…。

「…此処よ。」

「?!」

どこからか花恋の〝様”な声がした。

「私はここ。」

「…か、れん。」

嫌、違う。
花恋じゃない。

花恋の声はこんな冷たくない。
それに身に纏ってる雰囲気も違う。

「誰だ…。
お前。花恋はどこにいる。」

「……着いてきて。
教えてあげわ
愛しい私の旦那様…。」

そう花恋の姿をした女は答え
暗闇の中を歩き出した。

「おい。
待て…。
お前は花恋の何者だ。
お前の答えによってはここで殺す…。
答えろ。」

花恋の姿は足を止め、
俺に振り向いた。

花恋のいつもの…
あの優しく愛しい瞳とは違く、
こいつは見下してる…。

まるで俺の心を見透かしている様な…
その様子を遊んでる皮肉な瞳。

「私は…花恋になるべき女…。
花恋は消えるべき…。」

「何だと…。
俺に…挑発してるのか?
だったら今すぐ殺し…」

「貴方も。
いずれ分かる…。
今の花恋はいらないって…。
私を求めて、愛おしく見つめるのよ。
今の貴方の瞳は偽物。
これから変わり始めるわよ。ふふ」

俺は睨見つける。
俺が〝花恋”以外の女を好きになる?
ふざけるな。
いつも願ったんだ。
何年と何千年と。

絶やさない想いで。

俺の傍にいつもいて、
笑ってくれる優しい世界を…
そんな世界を邪魔する奴は要らない。

「どうしてそんな馬鹿みたいな話が出る。
一度、俺に殺されてみるか?」

「…そうね…。
話はさっきも言ったけど分かるのよ。
今話すのは違うと思うから…。
殺されるのは別に構わないけど…
貴方の大切な〝花恋”は居なくなるわよ。
それでも良いのね…。」

「何だと?」

この女は一体何なんだ?
意味が分からない。

俺の…
俺〝達の歴史”の何が知ってる?

「ほらっ!
早くしないと煉華の好きなガールフレンドが居なくなるわよ。歴史…変えたくないわよね?
今なら無料で助けてあげるわよ。お得お得っ!」

「急にキャラ変えんなよ…。
花恋の姿で言っても殺意しか籠もらない。」

「ま、話は分かってくれたみたいね…。
安心して。私は貴方達の味方だから。
さっきの…花恋ちゃんの話は…〝嘘”。だから。
ポリスお姉さんの事情を分かって、ね。」

「…………………はっ????」

「ごめん、ごめんっ!
からかってみただけ。
上の偉い人から煉華の…。
花恋に対してどれ程執着して、
その執着心が私達の危険に触れるものなのか、って
言われてここまで参上したまでって言うわけで…
ごめんね。ふふ。」

「…………殺す。」

俺は女に対し、

「透明な呪符っ!
呪透明雷(じゅとうめいらい)なんて!!
そんな高度の高い攻撃、食らったら私。
一瞬で骨どころか形もなくなるわよっ!!
こんな素敵なお姉さんになんてことするの?!!」

「安心しろ。
この世で一番美しいのは花恋だけだからな。
お前のような泥、興味などない。
俺を弄んだ罪、ここで償え。」
 
「その私の術を見抜けなかった自分を償えなさいっ!私は命令でしただけで、弄んだけじゃ…」

「死ね。」

こうして謎の女と煉華は出会ったのだった。

女は一体何者なのか…