アヤカシKiss

「いつもいつも馬鹿な事するのやめろっ!」

ガツンッ!!

「痛った〜!!
何すんだよ!!
危うく頭割れると割れるとこだっただろっ!?
俺の事を心配してくれよ〜。
悪気はなかったんだよ〜。」

先生にこっぴどく叱られた後は
真冬の怒りが弥二郎に降りかかった。

俺達は宿に戻り、
自分達の泊まる部屋に戻っていた。

「火を消してくれた煉華に感謝しろよっ!!
もしあの時に急速に水が無かったらどうしてたっ!?死人が出てたかもしれないんだぞっ!!
それから山火事になる、なんてことも考えて火の扱いには知っておけ、この馬鹿猿がっ!!」
 
「うぅ~。
煉華、唯愛〜!真冬が俺を虐めてくる〜!!
助け…えっ?!何?そのお前が悪いみたいな…
え、関係ない奴を巻き込む的なっ!!
酷いっ!!酷いっ!!
俺はさっき言ったみたいに悪気は…痛っ!!
真冬っ!!また俺の頭を〜!!」

「煉華と唯愛を巻き込むなっ!!
お前はもう少し周りを見て動けっ!
はぁ…何でいつも怒られるんだ…でも…」

真冬はチラリと俺達を見た。
それを見て俺と唯愛は顔を見合わせ微笑んだ。

「あぁー。
俺ら何か喉渇いたな。
何か冷たい飲み物でも飲みたいな〜。
真冬も弥二郎を叱って乾いたろ?
何か売店で買ってくるよ。 
俺ら2人で行くから、
弥二郎と真冬はゆっくりしてろ。
まだ真冬のお叱りが足りないようだからな。ん?」

「あっ…、別にそんなことはないが…良い…のか?」

やっぱりだな。
そうみたいだね。

そう言葉にしなくても俺達は分かった。
真冬の癖だ。

付き合いが短くてもそれくらいは分かる。
それくらいの人の特徴を見る能力は俺ら4人にはある

「じゃあ、買ってくるから。
2人〝仲良く”して弥二郎は真冬に叱られてろ。」

「なっ!俺を見捨てるな〜ぁ。」

ガチャ。

弥二郎と真冬のの声が聞こえなくなった所で話した。

「真冬の奴…本気で想ってんだな。」

「そうみたいだね。
まさか、こんな漫画みたいな話があるなんて思わないよ。弥二郎に対してあんなに怒ってるのに…。
弥二郎を〝好き”だなんて。
男同士の恋愛って考えた事なかったかも。
煉華は好きな〝男”いるの?」

「何で〝男”なんだよ。
俺は女の方なら普通にあけどな。
現在進行系で…。」

「でもお悩みがあるみたいなんでしょ?」

「……何で分かる?」

「んー…俺も煉華を好きだ…」

「からかってるなら風邪ひかせても良いんだぞ。」

「ごめん、ごめん。嘘。
最近調子、悪いように見えたから。
女の子の相手を難なく交わしてるの見てきたけど、
今日のキャンプファイヤーの出来事で女の子達が煉華に寄ってたかってた時に笑顔が不自然だったから。」
 
「…痛いとこ突かれたな。俺」
 
「突かれる程悩んでる恋愛の悩みって何?
年下の可愛い幼馴染、花恋ちゃんの事?」

「そうだよ。
と言うか何でお前が花恋の事知ってる?」

売店で飲み物や食べ物を買った後。
会計を済ませ部屋へと戻る時だった。

唯愛が俺の悩みの種を聞いてその悩みのが花恋だと分かった事だった。

「この間、「煉華と一緒に帰ろうとしたんだ」って、
学校の校門前に立って待ってたよ。可愛いね。」

立ち止まった。
可愛い?

それは当然だ。
なんせ花恋なんだから。

でも…他のやつに…
男にだけは花恋について語られたくない。
  
「…なぁ…もし今度、花恋について可愛いとか言ったら風邪ひかすからな。」

「嫉妬深い男は嫌われるよ。」

「もう良いんだ。
花恋には俺が必要なんだ…。
この先もそう…。」

「…あまり悩みすぎて、
煉華の方が風邪ひかないでね。」

「なるもんか。」

その後、俺達は部屋に戻り真冬と弥二郎のやり取りをした…そんな日もあったもんだな。と思い返していた。そんな時に聞こえたんだ。

花恋の声が…

(助けて…煉華…)

「か、れん?」