アヤカシKiss

弥二郎は猿と獅子とのハーフ。
体力が物凄く高く、
俺達の学校の体育祭では、必ず一番になる弥二郎をめぐって全生徒は馬鹿な事で争う。

例えば、どちらの方が美味しいお菓子を多くあげたとか。弥二郎を好きでもない女子を群がらせた組が多いのか、と。

そんな感じだ。

そんな弥二郎はそんな事が起こってるかも知らない程の馬鹿だ。

テストの点数でも学校で一番の最下位だ。
その事を本人は全く理解していない。

先生達はもちろん、
弥二郎の学校での過ごし方があまりにも酷いとのことで両親を度々、呼び出し注意していた。

弥二郎の両親は毎日、そんな事を心配していたのだが、弥二郎が好き勝手した時に。
ある日の事。

行事であるキャンプファイヤーで
夜、火を灯しながら皆で歌う。
と言う事をしていたのだが、
弥二郎はその日は火を見て興奮したのか、
ある女子生徒がもっていた棒を横取りにし、

「さっ!!
早く俺にその暑い熱をくれっ!!
今夜の夜はパーティーだっ!!
ヤッホー!!」

「馬鹿っ!
危ねぇからそんなはしゃぐなっ!!」

女子から奪った棒に、
次に来る火を付けようとした時…
 
「大丈夫だってよ〜!
俺には失敗などありえ、あっ!
カブトムシだっ!!」

「馬鹿っ!!
弥二郎っ!!」

「ほえ?」

ぼうっ!

「キャー火がっ!!
先生っ!火事ですっ!!」

その光景を見て俺と一樹は
「だろうな…。」と心で思った。

「おいっ!!
誰か早く水をっ!!…」

「俺、消すんで大丈夫ですよ。
先生。そんなに慌てないでください。」

ブシュー。
シャー。シュー。

「さすがは名門の貴族様、煉華様
いつでも冷静で頭が上がらないよ。」

「お前だって名門だろ?唯愛様。」

「煉華よりは衰えてるよ。
俺は記憶が薄い…。
仕方ないよね。
そういう風に〝産まされた"んだからさ。」

煉華は唯愛を見た。
唯愛は夜空を見ていた。
何かに願い事をするかのように。
誰かに会いたいと願うように。
恨むように…。