アヤカシKiss

私が図書館から帰る時の時は、
外が薄暗くなっているときだった。

「もう少し茜さんと話していたかったな…」       

煉華と一緒に読みたかった。
もしも…私があのラノベの主人公だったら…
どんなに心に傷ついても、
諦めずに運命の人と恋におちるまで自分の心を奮い立たせるんだろうな。

私は煉華の…〝運命の人”、なのかな?

そんな思いを抱えながら私は家に帰ろうとしたいと時。

「帰らず帰らずおいでませ~。」

「?」

とある声が聞こえた。
誰かが歌う声。

自然と私はその事に耳をすませていた。
導かれるように…。

「帰らず帰らずおいでませ~。 
おいでになったら遊びましょう〜。」

なんだろうこの歌…。

変な気持ちになる…。

「「帰らず帰らずおいでませ~。」」

気づけば私も一緒に歌っていた。
それでも私は気にせずに
その声とともに歌っていた。

「「おいでになったら遊びましょう〜。」」

そう続けて歌った時、

「言っちゃったね。
その歌を…」

女性の…綺麗な声が聞こえた。
その声は何処か聞いたことのあるような声で…。
でも、私の感情はもう〝手遅れ”だったらしく。

「……はい。
お嬢様…。」

「ふふ。さて、行きましょう。
貴方の帰る場所はもう〝今日"から違うのだから。」

「私の…帰る場所…。」

私は何かに縛られる様な感覚だった。
先ほどまで私は何処に帰ろうとしていたのだろう?

何を〝思い”〝誰を”考えていたのかも…。分からない

ただ分かるのは、  

〝自分”が〝自分”ではなくなったような
そんな違う女の子になる様な恐怖に覆われる感覚だった。