お姫様は専属総長に溺愛されてみたい。


そう・・・・、思ってた。
もう、誰の言いなりにもなりたくないって。

「帰れ」

目の前の総長が、読めない表情で冷たく言った。

「いやです」

即答だった。総長の瞳が、わずかに見開かれる。

「『こんなとこ』って、なんですか。あなたに私の居場所を決める権利はありません。」

私の居場所なんて、私が決める。もう私は、他人に支配されたくなんてない。

「家に帰って、メイドたちに世話されて、大人しく婚約者のとこに戻ってりゃいいだろ。そこがお前の生きる道だろ」

その言葉に、ぴくっと肩が跳ねる。そう、あなたの言うとおりだ。
私の居場所は、本当はあの家だ。

祖父の顔が蘇り、息が苦しくなる。

「私は・・・、誰かの所有物になるために生きていません・・・。」

気づいたら、その場で涙を流していた。

「もう、ぜんぶ自分で決めるって・・決めたんです」

その言葉に、後ろで見ていた夜月のメンバーたちが騒つく。
きっと、これまで総長に逆らってきた人など、一人もいないのだろう。