お姫様は専属総長に溺愛されてみたい。

「え・・・・・なにあの車?」
「なんか金持ちそう」

窓側の席に座っていた男子たちが突然騒ぎ始めた。
校庭には生徒が群がっていて、その中心に黒塗りの車がある。

「誰かの親とか?」
「そんな金持ちのやついねぇだろ」
「いやいるよ!」

誰かの一言で、私の方に目線が集中した。
でも、私の親や祖父は仕事で来るはずない。それに、あの車に見覚えがない。

みんなが授業を投げ出して教室を出て校庭に向かう。
先生までもが校庭に向かい始めた。

私は戸惑いながらも人混みに紛れて校庭に行く。
人混みの後ろからそっと伺うと、車の中から大学生くらいの男性が出てきた。

先生が喋りかけるも、男性は一切答えず、一人一人生徒たちを見極めるようにして視線を左右させている。
しばらく左右していた視線。

・・それが、ちょうど私のところで止まった。
それと同時に、背中から這い上がるようにして寒気が襲ってくる。

(何・・・なん・・なの?)