ルーカスの全てに魅了され、すぐに目的を忘れてしまう自分が情けない。
気をしっかり持たなくては。
「いい?ルーカス?私の全てを独占するなんて無理なの。私にはルーカス以外にもたくさんの人との関わりがあるもの。ルーカスと同じでね」
ルーカスの考え方はおかしい。そう言い聞かせるように言うと、ルーカスはきょとんとした。
「確かに立場上、俺もたくさんの人との関わりはあるよ。けれど、俺の全てはゾーイ、君に独占されている。何をしてても、どこにいても、君に呼ばれれば俺は全てを投げ出して必ず君の元へ来るだろう?」
「…」
本当にそうなので否定できない。
ルーカスのある意味正論に、苦い顔になってしまう。
そんな私にルーカスは「ああ、君の世界が俺だけになればいいのに」と深刻そうに呟いていた。
完全無欠のヴァレンタイン次期公爵様、ルーカス・ヴァレンタイン。
彼の唯一にして最大の問題はこの愛の重さだった。
私とルーカスは幼馴染で、紆余曲折あり見事結ばれた。
元々幼少期からの許嫁同士だったが、晴れて両思いという幸せを掴んだ。
私はルーカスのことが大好きだ。
息も出来ないほど愛されて、嬉しいと思う。
けれど、息苦しさを感じることもしばしばある。
嫉妬という感情にある程度理解はあるし、私自身もするが、まさか異性にまでするとは思わないではないか。
しかも自分の幼少期からの親友に。



