「…ルーカス」
「何?ゾーイ」
呆れたようにルーカスの名を呼ぶと、ルーカスは責めるように私を見た。
……これではまるで私が浮気を問いただされているようではないか。
「一昨日、私と湖でピクニックをしたのは私の親友のアリアよ?女の子よ?異性じゃないし、そんな風に責められる筋合いはないわ」
じろっとルーカスを睨みつけてみるが、彼はどこ吹く風。彼の「だから何?」と言いたげな視線に、私から力が抜けていく。
「例え同性でも、例え親友のアリア嬢でも、耐え難いものは耐え難いんだ。俺はゾーイの全てを独占したい」
眉を下げ、うるうるとこちらを見つめる甘い瞳が、私の心臓を刺激する。
言っていることはめちゃくちゃでも、最愛の人の甘えならご褒美だと思えてしまう。
…いやいやいや。
惑わされてはダメよ、ゾーイ!
例え、私の最愛で、大好きな婚約者であるルーカスでも限度というものがあるわ!
アリアは私の親友よ!目の敵にしていい相手ではないわ!
一言言ってやろうと、気を強く持ち、ルーカスを強く射抜く。
綺麗な所作でゆったりと目の前に座るルーカス。
長い手足は彼のスタイルの良さを物語っている。
濃い紫のサラサラの髪は神秘的で、それとは対照的な燃えるような赤い瞳は全人類を惹きつけて離さない魅力がある。
ああ、やっぱり好き…!罪深すぎる美しさだわ!
私の婚約者、素敵すぎる!
……て、違う!



