「殿下とは……特には。
あ、でも婚約破棄しましょうって言ったの」
「はあ!? なんでよ!」
「だって婚約自体、ガイルの件があって……
きっと有耶無耶になると思うし。契約上のものだしね」
「それで、殿下はなんて?」
「……ため息ついてた」
「なら承諾してないじゃない」
呆れたように肩をすくめる。
「もう。あの殿下が、今さらあなたを逃すと思う?」
「うーん……」
「逃すわけないでしょ」
少しだけ意味ありげに微笑む。
「それに――
ティアナちゃんだって、まんざらでもないんじゃない?」
「……そうかも」
「もう」
くすりと笑ってから、ルイは優しく続けた。
「でもね。ディランの隣に立つってこと、
王妃になるってことでしょ?」
「……それは、荷が重すぎるよ」
「ふふ。正直ね」
ルイはくるりと彼女を回しながら、そっと囁く。
「その気持ち、ちゃんとそのまま伝えればいいのよ。
あなたの“本当の気持ち”を」
「え……」
「ちゃんと、聞いてくれるわよ」
「……ぜ、善処します」
音楽が、ゆっくりと終わりを告げる。
最後の一歩を踏み、
ルイは自然な動きで私の手を離した。
「楽しい時間をありがとう、ティアナちゃん」
そう言って、優雅に一礼する。
私もドレスの裾をつまみ、同じように頭を下げた。
あ、でも婚約破棄しましょうって言ったの」
「はあ!? なんでよ!」
「だって婚約自体、ガイルの件があって……
きっと有耶無耶になると思うし。契約上のものだしね」
「それで、殿下はなんて?」
「……ため息ついてた」
「なら承諾してないじゃない」
呆れたように肩をすくめる。
「もう。あの殿下が、今さらあなたを逃すと思う?」
「うーん……」
「逃すわけないでしょ」
少しだけ意味ありげに微笑む。
「それに――
ティアナちゃんだって、まんざらでもないんじゃない?」
「……そうかも」
「もう」
くすりと笑ってから、ルイは優しく続けた。
「でもね。ディランの隣に立つってこと、
王妃になるってことでしょ?」
「……それは、荷が重すぎるよ」
「ふふ。正直ね」
ルイはくるりと彼女を回しながら、そっと囁く。
「その気持ち、ちゃんとそのまま伝えればいいのよ。
あなたの“本当の気持ち”を」
「え……」
「ちゃんと、聞いてくれるわよ」
「……ぜ、善処します」
音楽が、ゆっくりと終わりを告げる。
最後の一歩を踏み、
ルイは自然な動きで私の手を離した。
「楽しい時間をありがとう、ティアナちゃん」
そう言って、優雅に一礼する。
私もドレスの裾をつまみ、同じように頭を下げた。

