ゆっくりと息を吸った。
胸の奥で、冷たい何かがすとんと落ちた。
怒りでも、悲しみでもない。
――理解してしまったのだ。
この男が、何を恐れ、何から逃げ続けてきたのかを。
前を見据える。ガイルから目を逸らさずに。
「あなたは、
『王になって国を導きたかった』わけじゃない」
ガイルの睨むような視線を感じる。
「ただ――
力を持てない自分が、怖かっただけ」
「黙れ…!」
「制御できない力が怖くて、
失うことが怖くて、
選ばれない存在になるのが怖かった」
「黙れと言っている!」
ガイルの魔力が、びり、と荒れる。
それでも、声は揺れなかった。
「だから、その不安を消すために、
“王になる”という言葉にすがった」
「俺は……国のために……!」
「本当は」
言葉を重ねるように、静かに。
「誰かを守りたかったわけでも、
国を良くしたかったわけでもない」
「そんなことは……!」
「弱い自分を、認めたくなかっただけ」
一瞬、ガイルの言葉が詰まる。
「……っ」
「その恐れから逃げるために、
人を支配し、
力を独占した――」
「やめろ……!」
震えた声。
怒りでも威圧でもなく、
追い詰められた獣のような叫び。
まっすぐに彼を見据えた。
「ただの、愚か者よ」
胸の奥で、冷たい何かがすとんと落ちた。
怒りでも、悲しみでもない。
――理解してしまったのだ。
この男が、何を恐れ、何から逃げ続けてきたのかを。
前を見据える。ガイルから目を逸らさずに。
「あなたは、
『王になって国を導きたかった』わけじゃない」
ガイルの睨むような視線を感じる。
「ただ――
力を持てない自分が、怖かっただけ」
「黙れ…!」
「制御できない力が怖くて、
失うことが怖くて、
選ばれない存在になるのが怖かった」
「黙れと言っている!」
ガイルの魔力が、びり、と荒れる。
それでも、声は揺れなかった。
「だから、その不安を消すために、
“王になる”という言葉にすがった」
「俺は……国のために……!」
「本当は」
言葉を重ねるように、静かに。
「誰かを守りたかったわけでも、
国を良くしたかったわけでもない」
「そんなことは……!」
「弱い自分を、認めたくなかっただけ」
一瞬、ガイルの言葉が詰まる。
「……っ」
「その恐れから逃げるために、
人を支配し、
力を独占した――」
「やめろ……!」
震えた声。
怒りでも威圧でもなく、
追い詰められた獣のような叫び。
まっすぐに彼を見据えた。
「ただの、愚か者よ」

