守ると決めたのは、今に始まったことではない。
あの方が泣いた日も、
笑った日も、
剣を取ると決めた日も。
すべての傍らにいると、私は決めていた。
――その頃。
執務室の扉の外。
お嬢様は壁にもたれ、何食わぬ顔で立っていた。
「……お嬢様、盗み聞きですか?」
「全部は聞こえてないよ。ちょっとだけ」
悪びれもせず、肩をすくめる。
「お父様ってさ、ユウリには優しいよね」
「……そうでしょうか」
「そうだよ。かなり気に入ってる。
私より信頼されてるんじゃない?」
冗談めいた口調。
けれど、その奥には微かな寂しさが混じっていた。
私は、ただ微笑む。
「それでも私は――」
一歩下がり、いつもの距離で頭を下げる。
「お嬢様の執事であることを、誇りに思っております」
それ以上の言葉は、必要なかった。
想いは、口にしないからこそ守れるものもあるのだから。
あの方が泣いた日も、
笑った日も、
剣を取ると決めた日も。
すべての傍らにいると、私は決めていた。
――その頃。
執務室の扉の外。
お嬢様は壁にもたれ、何食わぬ顔で立っていた。
「……お嬢様、盗み聞きですか?」
「全部は聞こえてないよ。ちょっとだけ」
悪びれもせず、肩をすくめる。
「お父様ってさ、ユウリには優しいよね」
「……そうでしょうか」
「そうだよ。かなり気に入ってる。
私より信頼されてるんじゃない?」
冗談めいた口調。
けれど、その奥には微かな寂しさが混じっていた。
私は、ただ微笑む。
「それでも私は――」
一歩下がり、いつもの距離で頭を下げる。
「お嬢様の執事であることを、誇りに思っております」
それ以上の言葉は、必要なかった。
想いは、口にしないからこそ守れるものもあるのだから。

