第二部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない


侍女が案内してくれて扉をノックする。

「どうぞ」

殿下の返事を確認し入った部屋にはソファとテーブル、ベッドが置かれていた。本棚には珍しい本が並び、どれも気になる。ここは殿下の自室なのだろうか。

「失礼します」

ソファに腰を下ろすと、侍女がレオの作ったデザートと紅茶を丁寧に並べてくれた。

私は話をする前に、そっと頭を下げる。

殿下が目を丸くして見つめる。
「どういうつもりだい?」

「その…孤児院でのボランティアの件で、私が使った力について、公言しないでいただきありがとうございます」

「なるほど、あの力のことか。確かに公にされていれば…大変なことになっていただろうね」

「…はい」

「気にしないでくれ。君の騎士…セナと一緒に処理したまでだよ」

やっぱりか…。セナにも気を遣わせてしまったな。

「それに、私が言わなくても他の者から漏れることだってあるかもしれない。
しかし…君の人柄だろう。
その力を知っているのは限られている」

その言葉を聞き、私はは少し安心する。

「ありがとうございます」