殿下はしばらく料理を眺めてから、私に視線を向けた。
「では、いただきましょう」
「はい、いただきます」
一口運ぶ。
……おいしい。
さすがレオだ。
思わずナプキンで口元を拭いながら、殿下には見えないよう膝の下で小さくガッツポーズをする。
それに気づいたレオが、誇らしげに胸を張った。
「素晴らしい。とても美味しいよ」
殿下は感心したように頷く。
「彩りも鮮やかで、見た目も美しい。
慣れない環境と限られた時間の中で、ここまで仕上げられるとは……さすがだね。
本当にスカウトしたくなる」
「いえ! ご用意してくださった材料が一流品ばかりでしたし、
周りの方々もとても親切で……楽しく作れました!」
レオは屈託なく笑う。
「でも、俺はお嬢様の専属料理人なので!
スカウトされても行きませんよ!」
……レオ、ありがとう。
引き抜かれたら、本当に困る。
「冗談だよ」
殿下が肩をすくめる。
「可愛い顔でこちらを威嚇する子猫がいるからね」
――誰が子猫だ。まったく。
食事は滞りなく進み、スープを飲み終えたころまたレオが入ってきた。良い香り。
「それでは、次はメインです。
牛フィレ肉のソテー、赤ワインソース添えになります」
レオが皿を並べた、その瞬間。
ゴロゴロ――
ガシャーン。
雷鳴が屋敷を揺らす。
ひどい嵐だ……と、そう思ったのも束の間だった。
――バンッ!
勢いよく扉が開く音が響き、思わずそちらを見る。
空気が、一瞬で変わった。
「では、いただきましょう」
「はい、いただきます」
一口運ぶ。
……おいしい。
さすがレオだ。
思わずナプキンで口元を拭いながら、殿下には見えないよう膝の下で小さくガッツポーズをする。
それに気づいたレオが、誇らしげに胸を張った。
「素晴らしい。とても美味しいよ」
殿下は感心したように頷く。
「彩りも鮮やかで、見た目も美しい。
慣れない環境と限られた時間の中で、ここまで仕上げられるとは……さすがだね。
本当にスカウトしたくなる」
「いえ! ご用意してくださった材料が一流品ばかりでしたし、
周りの方々もとても親切で……楽しく作れました!」
レオは屈託なく笑う。
「でも、俺はお嬢様の専属料理人なので!
スカウトされても行きませんよ!」
……レオ、ありがとう。
引き抜かれたら、本当に困る。
「冗談だよ」
殿下が肩をすくめる。
「可愛い顔でこちらを威嚇する子猫がいるからね」
――誰が子猫だ。まったく。
食事は滞りなく進み、スープを飲み終えたころまたレオが入ってきた。良い香り。
「それでは、次はメインです。
牛フィレ肉のソテー、赤ワインソース添えになります」
レオが皿を並べた、その瞬間。
ゴロゴロ――
ガシャーン。
雷鳴が屋敷を揺らす。
ひどい嵐だ……と、そう思ったのも束の間だった。
――バンッ!
勢いよく扉が開く音が響き、思わずそちらを見る。
空気が、一瞬で変わった。

