「もうとっくに戦う覚悟をしたつもりだったの。
でもその考えが甘かったってきづいた」
拳を、きゅっと握る。
誰かの悪意で傷ついた人達の顔が浮かぶ。
殿下の目が、ほんの少し揺れるのがわかった。
「剣を振るう、って意味だけじゃない。
選ぶことも、責任を持つことも、全部含めて。」
私は、セナを見る。
「セナあなたが心配してくれてるの、ちゃんとわかってる。怒ってくれて嬉しかった」
だからこそ――
「大丈夫。私は、自分で選ぶ」
殿下へ、まっすぐに言う。
「共犯にでもなるし共闘もする」
言い切った瞬間、胸の奥がすっと静かになった。
「中途半端な覚悟で言ってるわけじゃない。
殿下が背負う覚悟を見たから……私も背負うって決めた」
沈黙。
最初に息を吐いたのは、セナだった。
「……本当に、止められないな」
その声に、少しだけ笑ってしまう。
殿下は、深く一礼した。
「選んでくれて、ありがとう。
君を“駒”として扱うことは、二度としない」
「ええ」
私は頷く。
「その代わり――」
一拍、置いて。
「同じ場所に立たせてください」
夜風が、3人の間を通り抜けた。
守る人。
守られる人。
そして、共に背負う人。
その境界線が、今、確かに塗り替えられた。
――選んで、立つ。仲間とともに…

