隠していた想いを伝える時



 少し歩くと3階建てのアパートが見えてきて、手を引かれたままアパートの階段を上がり、2階の角部屋の前で足が止まると槙田君が玄関扉の鍵を開けた。

 そのまま一緒に中に入ると、槙田くんはすぐにタオルを用意してくれて、服を貸すからと脱衣室に案内してくれた。

 シャワーも使っていいよと言われたけど、それは流石に悪いと思って断った。


「じゃあここで着替えてね。濡れた服はここに入れてこのスイッチを押して。着替えが終わったら部屋においで」

 乾燥機の使い方を説明すると、槙田くんはすぐに脱衣室から出ていった。


 用意してくれたのは槙田くんのジャージ。

 素直に濡れた服を脱いで着替えることにした。

 サイズが大きくて、私には少しブカブカなジャージだけど、濡れた服を着ているよりはずっといい……。


 着替えを済ませて部屋に戻ると、槙田くんはキッチンにいて、マグカップを2つ持っていた。

「ちょっとサイズが大きいね。ごめんね」

 サイズが合っていないジャージ姿の私を見て、槙田くんは笑った。


「大丈夫。服、貸してくれてありがとう」

 そんな槙田くんの反応をみたら、なんだか少し恥ずかしくなってしまって、槙田くんの顔から目を逸らして俯き気味にお礼を言った。


「コーヒーいれるから一緒に飲もうよ。よかったらソファに座って待ってて」

 私はその言葉に頷いてソファに座った。

 彼氏以外の男の人の家に来るのは初めてのことで、こうしてソファに座るのも緊張する。