そうしてやって来た舞踏会当日。
フィリーネの部屋では、ドレス姿のカロンが感嘆の声を上げていた。
「ああ、本日のお嫁様は大変美しゅうございます。注目を浴びること間違いなしなのでございますよ!!」
「そんなことないです。カロンさんの方がとっても綺麗で素敵です」
「いいえ、わたくしなどより何千倍もお綺麗なのですよ。きっと周りの男性陣から熱い眼差しを向けられること間違いなしでございます!」
フィリーネはカロンの手によって美しい淑女に変貌を遂げていた。
顔には軽く化粧が施され、自然な仕上がりになっている。首や耳、手首にはこの間宝飾店で買った真珠の三連ネックレス、ダイヤモンドのイヤリング、ブレスレットがついていた。絹糸のような白銀の髪は編み込んで結い上げられ、サイドには真珠とダイヤモンドで作られた蝶の髪飾りが輝いている。
カロンが寝る間も惜しんで作り上げた紺色のドレスは、オーガンジーをふんだんにあしらった清楚なデザインで、スカートの裾に金糸と銀糸で花模様が縫われているので豪華だ。
花芯には水色の宝石が縫いつけられており、きらりきらりと光っている。
フィリーネは姿見に映る見慣れない自分の姿をまじまじと眺めていた。
これまでで一番化けたような気がする。
シドリウスの屋敷に来てから痩せっぽちだった身体はたくさん美味しいご飯を食べたことでふっくらとしてきたので、丁度良い体型になっていた。
――そう、胸を除いては。



