迷信の生贄花嫁、食べられると勘違いしたまま竜王陛下の溺愛が始まって戸惑ってます~食べるって物理的な意味ですよね?~



 魔法を使い続けたこともあり、全身から疲労を感じる。
「ありがとう、ニア。もうあげられる魔力はないから帰っていいわよ」
「ミッ!」
 ミリーネがお礼を言うとニアは瞬く間に姿を消した。


 公爵の治療を終えて寝室を出た後、執事に応接室へと案内される。
 応接室は公爵の寝室の隣にあり、ミリーネ専用の部屋として設けられていた。
 テーブルにはミリーネが好きな焼き菓子が数種類用意されている。

「どうぞ、お寛ぎください」
「ありがとう。遠慮なく休ませてもらうわ」

 ミリーネが席に着くと、後ろで控えていた侍女がお茶を淹れてくれる。
 淹れたてのお茶を飲んでホッと一息入れていたら、アーネストがやって来た。

「ミリーネ嬢、治療してくれてありがとう。父の代わりにお礼を言うよ」
 手の甲にキスをして挨拶をするアーネストにミリーネは悦に入る。


 普段は忙しくて塩対応なアーネストも、この時ばかりはいつも以上に優しくしてくれる。
 感謝して大事に扱ってくれる。
 ミリーネは嬉々とした表情を浮かべていた。

「光の精霊師として、これからもしっかり務めは果たしていくわ。公爵様には元気でいてもらわないといけないし」
 義父となる公爵に恩を売っておいて損はしない。目覚めた時になんと良い娘が嫁に来てくれるのだと感動してくれるはずだ。
 気乗りはしないが、援助の件も頼みやすくなるだろう。