彼は魅惑のバレリーノ


「こんにちは、今回お時間作ってくださりありがとうございます。」

柊くんは丁寧に頭を下げ、名刺をスッと差し出す。
その所作が綺麗すぎて、会議室の空気が一瞬ぴんと張る。

「いえいえ、こちらこそ。
わざわざお声いただいて恐縮です。よろしくお願いします。」

部長も深く頭を下げる。

「今回は、パンフレットやグッズのデザインと発注ですね。」

「はい。」

部長が資料を開こうとしたとき、
柊くんがちらっと私の方を見る。

「デザインに関してですが……
彼女にお願いしたくて。できますか?」

「ええ、もちろんです。
如月、大丈夫か?」

「はい。大丈夫です。」

ちょうど急ぎの案件も終わっていて、タイミングは完璧だった。

「そうだ、彼も紹介するよ。
うちのエースの深山だ。彼は非常に仕事ができるから頼ってください。」

「それは心強いです。」

柊くんがにこっと笑う。
その笑顔に、深山も軽く目を見開いた。

「まさか、またお会いするとは思いませんでした。
よろしくお願いします。」

深山が爽やかに笑う。

「なんだ、二人は知り合いなのか。
ならちょうどいい。」