彼は魅惑のバレリーノ


月曜日。
14時から打ち合わせの予定で、私は会社の入り口まで柊くんを迎えに行った。

エントランスに入った瞬間、空気が変わる。

「すごい、きれい……」
「かっこいい……」

社員たちがざわざわしている。
視線の先には、ジャケットにスーツ姿の柊くん。

……絵になる。
そこだけ別世界みたいに整っている。

「柊くん、お待たせ。」

「あ、一華さん。」

ふわっと笑う。
その笑顔が眩しくて、胸がきゅっとなる。

「こっちだよ。」

「うん、ありがとう。」

私は柊くんを連れて会議室へ向かった。
歩くたびに、すれ違う社員が二度見していく。

(やめて……そんなに見ないで……)

でも隣の柊くんは、まったく気にしていない様子で歩いている。

会議室の前に着き、軽くノックする。

コンコン。

「失礼します。連れてきました。」

「失礼します。」

後ろから柊くんが入ってくる。

その瞬間、会議室の空気が一気に引き締まった。
まるで舞台に立つ前のような、静かな緊張感。

部長たちが一斉に立ち上がる。

「本日はお越しいただきありがとうございます。」

柊くんは軽く会釈し、落ち着いた声で返す。

「こちらこそ、よろしくお願いします。」

……スーツ姿でビジネスモードの柊くん、
破壊力が強すぎる。