彼は魅惑のバレリーノ


「はあー良かった。
一華さんになら安心して任せられそう。」

「え?! プ、プレッシャー!」

「だって、一華さんが描くもの、素敵だから。」

さらっと言うのやめてほしい。
心臓が跳ねる。

「っていうか、私が考えていいの?」

「むしろ一華さんに頼みたい。
だめ?」

その“だめ?”の言い方がずるい。
断れるわけがない。

「ダメじゃない! むしろありがとう。
頼ってもらえて嬉しい。」

「なら良かった。
早速だけど、会社の人に話通したいんだけどさ。」

「わかった。
すぐ連絡してみる。」

スマホを取り出し、会社に確認の電話を入れる。
事情を話すと、部長はすぐに興味を示してくれた。

そして――

「週明けの月曜日に話をすることになった。」

電話を切って報告すると、柊くんは本気で嬉しそうに笑った。

「ありがとう。一華さん。」

その笑顔が、胸の奥にじんわり染みる。

“頼られてる”
“必要とされてる”

その感覚が、こんなにも嬉しい。