「実はいつもパンフレットやグッズのデザインを頼んでた人が入院して、新しい人を探さなきゃいけなくなったんだ。」
「それは……大変だ!」
柊くんは少し困ったように眉を寄せて、でもどこか私に期待しているような目をしていた。
「一華さんの職場って、デザインしたものをグッズとかパンフレットとか作成できる会社だったりする?
前、名刺に“ミライデザイン出版社”ってあったよね?」
「うん、できるよ。
私もそのデザイン画を頼まれたりするから。」
その瞬間、彼の表情がぱっと明るくなる。
「ねぇ、お願い。
日本公演でのパンフレットとグッズのデザイン考えてくれない?
仕事として、一華さんの会社に頼めないかな?」
「それは、もちろん大丈夫だよ。」
「ほんと!?」
子どもみたいに目を輝かせるから、思わず笑ってしまう。
「うん。公演まではあとどのぐらい?」
「半年。」
「なら、まだ少し余裕があるよ。
早めに詰めていければ。」
「よかった……ほんと助かる。」
安堵したように息を吐く柊くん。
その表情を見て、胸がじんわり温かくなる。
頼ってくれたことが嬉しい。
“仕事”という形でも、彼の大事な舞台に関われるのが嬉しい。
そして何より――
彼が真っ先に私を思い浮かべてくれたことが、たまらなく嬉しい。

