彼は魅惑のバレリーノ


「よし、で、できたー!」

ぐーっと伸びをして部屋から出る。
時計を見ると16時。
思ったより集中してた。

「だいぶ集中してたね。終わった?」

雑誌を読んでいた柊くんが、
ぱっと顔を上げる。

「うわ!き、きれい!!」

思わず声が出た。
部屋が、まるで別の部屋みたいに片付いている。

「これ、散らばってた書類。
こっちに領収書とか。確認書類ね。
それより…これ、俺の載ってる雑誌だよね。
なんか、恥ずかしいんだけど。」

柊くんがテーブルに積み上げられた雑誌の山を指さす。
どれも彼が特集されている号ばかりだ。

「うん。モデルを初めてお願いしたときに、気になって…つい、買い漁っちゃったよ。」

「これ、処分でいい?」

「ダメに決まってるから!」

「圧が強いな。」

ふっと笑う。

「それにしてもありがとう。こんなに綺麗にしてくれて。
何でもできるの?!」

「え?そんなことはないけど。」

「だって、バレエもすごくて、料理も片付けもできて。
見た目もかっこいい。
え、なんなの? 超人!?」

勢いで言ってしまった。
言った瞬間、顔が熱くなる。

「ふふ、そんなことないって。
出来ないこともたくさんあるよ。
でも、人より器用なのは認める。」

ニヤリと笑う。

その笑顔がまた綺麗で、
無自覚に人を落とすタイプのやつで、
ほんと反則。