彼は魅惑のバレリーノ

お弁当を食べおえ、

「美味しかった!」

「そうだね。」

満足感でお腹がぽかぽかして、
なんだか心まで軽くなる。

「よし、じゃあ私ちょっと仕事してもいい?」

「もちろん。
俺は勝手に片付けていい?」

散らばった紙に視線を落とす柊くん。

「うん、ありがとう。
むしろいいの??」

「いいよ。片付けとか好きだから。むしろやりたい。
あと散らかってると落ち着かない。」

「そっかぁ。じゃあお願いします。」

「おっけ。
とりあえず勝手に捨てないから。
まとめておくよ。」

「ありがとう。頼んだ。」

「頼まれた。」

ふっと笑ったその顔が、
なんだかやけに綺麗で、
胸が少しだけざわつく。

優しいし、気が利くし、
距離が近いのに押しつけがましくない。

でも——
きっと彼は誰にでもこうなんだろう。

そう思うほど、
その笑顔が胸に刺さる。

彼が紙を拾い上げていく音を聞きながら、
私は別の部屋に篭る。