彼は魅惑のバレリーノ

さらにこの一週間は大忙しだった。
家に帰ってからもデザイン画を考えて、気づけばまた金曜日。

「今日も行けそうにないや…。」

がっかりしながらメッセージを送ると、
『わかった。』
そのあとに、猫がしょんぼり心配しているスタンプ。

その小さなスタンプが、胸の奥をきゅっと締めつける。
会いたいのに、会えない。

「よし、もう一踏ん張り。」

時計を見ると、もう23時。
さすがに今日はここまで。
残りは週末に家でやろう。

立ち上がった瞬間、ふわっと視界が揺れた。

——立ちくらみか。

大丈夫、大丈夫。
深呼吸して、鞄を肩にかける。

帰ろう。

会社の自動ドアを抜け、夜風に触れた瞬間、
体の力が少し抜ける。
疲れが一気に押し寄せてくる。

駅に向かって歩き出そうとした、そのとき——