彼は魅惑のバレリーノ

車から降りた彼をまじまじと見つめる。
シンプルなシャツに細身のズボン。
風にふわっと揺れる茶色の髪。

——綺麗だな。
脚長!
今日、この人と隣を歩くの?
…ちょっと距離あけよう。

そう思って少し離れて歩き出した瞬間。

「もっとこっち来なよ。車来るよ。」

自然な動きで、スッと腕を引き寄せられる。

「あ、どうも。」

「なんか素っ気ない?」

首をかしげる彼から思わず目をそらす。

「いや、あのー。」

「ん?」

「男性と。」

「うん。」

「二人で出かけるのが…」

「うん?」

「もう随分前すぎて、どうしていいかわからない!」

言い切った私に、彼は目をぱちくり。
あ、これ…引かれたかも。