「ご馳走様でした。
私洗うね。」
「いいよ。遅いからもう帰りな。」
「いややらせて。」
「大丈夫…食洗機に入れるから。」
「それは…羨ましい。」
「あると便利だよ。
一人分でも、これ知っちゃうと戻れない。」
「はああ。確かに。
一度甘い蜜を吸うと人間もダメになるもんね。」
「そうそう。」
柊くんは淡々と返しながら、
ローストビーフの皿を軽くすすいで、
そのまま食洗機に入れていく。
無駄のない動きなのに、どこか丁寧で優しい。
「あ、デザート忘れてた。
せっかく持ってきてくれてたからさ、食べよう。」
冷蔵庫を開けると、
中の明かりがふわっと彼の横顔を照らした。
濡れた髪が少しだけ乾いてきていて、
その自然な色気に思わず見とれてしまう。
柊くんはゼリーの袋を取り出し、
こちらに振り返り、
ゼリーを二つテーブルに置く。

