彼は魅惑のバレリーノ


「明日は、ダンサーと合わせだから、日曜日なら空いてるけどどう?」

「いいよ!」

「ん。じゃあ決まり。」

短く言って、柊くんはまたストレッチに戻った。
その背中は相変わらずしなやかで、無駄がなくて、
見ているだけで絵になる。

まさかの、二人でおでかけ……?
こんな美しい人と……?
いいの……?
いや、これ夢では?

ほっぺをつねる。
痛い。
夢じゃない。

胸の奥がじわじわ熱くなって、
落ち着けと言い聞かせても、心臓が跳ねる。

柊くんは何事もなかったように、
淡々と足を伸ばし、呼吸を整えている。
その横顔は静かで、でもどこか柔らかい。

——とりあえず今は。
集中して、彼を堪能しましょう。

私は深呼吸して、色鉛筆を手に取った。
紙の上に落とす線が、いつもより少し震えていた。