彼は魅惑のバレリーノ

「ありがとう。
なんか元気もらえたよ。」

「それは良かった。」

ふわりと笑う。

「パスタご馳走様でした。大変おいしかったです。」

「それはどうも。食器はそのままでいいよ。」

「ありがとうございます!
じゃあお言葉に甘えて、私は帰りますので。」

バッグを持って立ち上がると、柊くんがふっと顔を上げた。

「…一応聞くけど送ろうか?」

小首を傾げる仕草が、妙に綺麗だ。
というか——

「一応なんですか!
でも、大丈夫!駅近いし。」

「そう。
じゃあ、家着いたら連絡して。一応。
これ、俺の連絡先。」

そう言ってスマホの画面をこちらに向けてくる。

「え! 教えてくれるんですか!
見ず知らずの私に!?」

思わず目を丸くする。

柊くんは、少しだけ目を細めた。

「見ず知らずじゃないでしょ。
毎週うち来るんだから。」

その言い方が優しくで胸がくすぐったくなる。