彼は魅惑のバレリーノ

「何?」

「いや、綺麗に食べるなって。姿勢もいいし」

「それはどうも。
如月さんは、なんというか…猫背だし、あまり身体に気を使ってなさそうだね。」

淡々とした声が刺さる。

「え!? 女性に対してひど!」

「肌荒れしてる。
ちゃんと保湿した方がいいよ。
食べるもので結構身体にでるからね。」

「へぇー。」

「俺は、油もの食べたりお酒飲むとすぐ肌荒れするし浮腫むからさ。」

「なんか美容男子みたいだね!」

「みられる仕事だからね。」

肘をついて話すその姿が、また様になっている。
ただ座っているだけなのに、線が綺麗で、視線が吸い寄せられる。

私はフォークを置きながら、思わずつぶやいた。

「……ほんと、プロってすごいね。」

柊くんは少しだけ目を細めた。

「当たり前のことしてるだけだよ。」

その“当たり前”が、私には眩しすぎた。