彼は魅惑のバレリーノ

「本当、敵わないな。」

柊くんはそう言って笑い、
そっと私の手を握った。
指先まで温かくて、胸がじんわりする。

熱を帯びた視線が向けられる。

「ねぇ、俺がモデルなのに、一番にその絵見てないんだけど。」

「はは、確かに。
じゃあ見に行こう。
一緒に。」

「うん。
でも今日は……一華さんを独り占めしたい。」

そう言って、私の手を引き寄せる。
そのまま抱きしめられて、
肩に落ちる息がくすぐったい。

優しく額に触れるキス。
それだけで胸がいっぱいになる。

「あー、好きすぎる。
でもこれから一緒だなんて……嬉しすぎる。」

「私も。」

ふふっと笑うと、
柊くんは少しだけ強く抱き寄せた。

「ねぇ、また痩せてない?
ちゃんと食べてる?」

「食べてるよ。
あ、でも一緒に住んだらまたモッツァレラとトマトのハンバーグ作って。」

「もちろん。なんでも作る。」

その声があまりにも優しくて、また一緒に住めると思ったら嬉しくなる。