彼は魅惑のバレリーノ


「つきあってるんでしょ?
さっき、カフェで見たよ!
あんな顔してる柊、俺初めて見た!」

「あはは。」

見られていたのか。
そりゃあの距離じゃ、気づかれるよね。

「良かったね!ほんと。」

「あ、ありがとう。」

その後は団員たちにもデザインを見てもらい、
ユキヒョウ海賊の人気に私は圧倒された。

「これ可愛い!
グッズにしたら私買います!」

「私も!
このユキヒョウちゃん素敵!なんか戸神さんに似てますよね。」

ギクリ。
……まあ、モデル彼だしな。

「わかる!でもそれがいい!!」

「ねー!!」

団員たちがわいわい盛り上がっている。
その輪の中心で、ユキヒョウ海賊のイラストが回されていく。

深山が横で腕を組みながら、ぽつりとつぶやいた。

「如月、すげぇな。
ここまで食いつかれるデザイン、なかなかないぞ。」

褒められて嬉しいけど、
団員たちの「戸神さんに似てる!」の声がまだ胸に残っていて、
なんとなく落ち着かない。

そんな私の様子に気づいたのか、
少し離れたところでストレッチしていた柊くんが、
ちらっとこちらを見て、目が合う。

その笑顔に、
団員たちの盛り上がりも、深山の視線も、
全部ふっと遠くなる。