彼は魅惑のバレリーノ


ソファへと優しく手を引かれ、そのまま座らされる。
柊くんは慣れた手つきで紅茶を淹れてくれていた。

「牛乳入れる?」

「う、うん。」

「了解。」

軽く笑って、そっとカップをテーブルに置いてくれる。

「ありがとう。」

ひと口飲むと、ふわっと優しい味が広がって、胸の奥が落ち着いていく。
そして私は心の内を話していた。

「正直…こんな素敵でかっこいい柊くんと恋したら、私この先恋なんて出来ないよ。」

思わず本音がこぼれる。
不安というより、嬉しすぎて怖い気持ち。

「待て待て。
色々飛んで次のことを考えないでよ。」

苦笑しながらも、声は優しい。

「いや、だって。
正直…気まぐれとか? じゃないの?」

そう言うと、柊くんは少しだけ眉を下げて、

「ひどいな。
俺、結構重いよ?」

「え?」

思わず顔を上げると、
彼は少しイタズラっぽく笑った。

「一華さんには美味しいご飯も作るし、髪の毛も乾かすし、
俺のお気に入りのヘアオイルも保湿剤も貸してあげる。

これでもかってくらい甘やかして、
俺のトリコにする。」

その言い方があまりに自然で、
あまりに本気で、
胸がどくんと跳ねる。

イタズラに笑う彼に、思わず目を瞬かせた。

——この人、本気?

そう思った瞬間、
頬がじわっと熱くなる。

柊くんはその反応を見て、
さらに柔らかく微笑んだ。