彼は魅惑のバレリーノ

「もし迷惑じゃなければ…見ててもいい?」

「もちろん。いいよ。
あ、そうだ。
一応、海賊の衣装も見れるよ。」

「ほんと!? 見たい。」

「じゃあ、こっちおいで。」

そう言われてついていくと、
衣装ラックの並ぶ奥のスペースに向かう途中で――

「あ、柊。
さっきのところだけど、ここの手の位置ってこうのほうがいいよね?」

振り返ると、
長い手足でスラッとした女性ダンサーが立っていた。

しなやかで、綺麗で、
舞台の上に立つために生まれたような人。

そして――
呼び捨て。

「そうだね。
そっちの方がいいね。」

自然に会話している。
距離が近い。
息が合っている。

(……綺麗な人)

スタイルも良くて、
動きも美しくて、
同じ世界の人間なんだと一目でわかる。