【いちかside】
中学二年生の夏。
「かえで、私の悪口言ってるでしょ?」
放課後、教室で私は最近仲良くなって一緒にいる友達のかえでに質問した。
「何のこと? いちかの悪口なんて言ったことないよ!」
「嘘つき……」
「ちょっと待ってよ!」
今度こそ新しく仲良しな友達ができると思っていたのに悪口を言われてショックだった。私はかえでを無視すると深いため息をつき、鞄を勢いよく持って教室から出る。
「どうだった?」
「悪口言ってないって言われた」
「証拠あるのにね……」
幼なじみのすいちゃんはスマホの画面を見せてくれた。内容はすいちゃんとかえでがやりとりしている会話のスクショ。
『いちかと一緒にいるのもう嫌かも。なんか、ひとつひとつの言動が耐えられない。見下されている感じがして無理!』
『そうなんだ……』
「かえでちゃんに『いちかちゃんはそんな子じゃないよ!』ってはっきり言いたいけど、怖くて言えなくて……ごめんね。」
「すいちゃんは何も悪くないし。謝らないで大丈夫だよ」
もう何度目だろう。中学に入ってから誰かと仲良くなるたびに悪口を言われる。そんなに私の性格は悪いのかなぁ……。こうやって毎回すいちゃんが悪口のことを教えてくれるのだけど、そのたびにすいちゃんにも嫌な思いをさせてしまう。
「……私は絶対にいちかちゃんの悪口は言わないからね!」
「ありがとう。もう私にはすいちゃんしかいないよ」
――そう、私にはすいちゃんだけだ。
【すいside】
中学生になってから、いちかちゃんと別のクラスになった。そしていちかちゃんは私以外の子と仲良くなった。そのたびに私の心はモヤモヤしていた。
そんな時、私は偽造会話アプリを見つけた。内容を軽く打ち込みボタンを押すだけで、あたかも本当の会話をしているような文章が作られるのだ。私は、いちかちゃんと仲良くなった子と会話しているような文章を作ってみた。その子がいちかちゃんの悪口を言っている感じの文章を。それをいちかちゃんに見せたら信じて、相手と仲が悪くなっていった。私は嬉しくなって、何回も繰り返した。そして今「すいちゃんしかいない」って言葉をもらった。
「ありがとう。私もね、いちかちゃんだけだよ! ずっとふたりでいようね!」
いちかちゃんは一瞬、少し複雑な表情をした気がするけれど、微笑んで「うん」とうなずいてくれた。
中学二年生の夏。
「かえで、私の悪口言ってるでしょ?」
放課後、教室で私は最近仲良くなって一緒にいる友達のかえでに質問した。
「何のこと? いちかの悪口なんて言ったことないよ!」
「嘘つき……」
「ちょっと待ってよ!」
今度こそ新しく仲良しな友達ができると思っていたのに悪口を言われてショックだった。私はかえでを無視すると深いため息をつき、鞄を勢いよく持って教室から出る。
「どうだった?」
「悪口言ってないって言われた」
「証拠あるのにね……」
幼なじみのすいちゃんはスマホの画面を見せてくれた。内容はすいちゃんとかえでがやりとりしている会話のスクショ。
『いちかと一緒にいるのもう嫌かも。なんか、ひとつひとつの言動が耐えられない。見下されている感じがして無理!』
『そうなんだ……』
「かえでちゃんに『いちかちゃんはそんな子じゃないよ!』ってはっきり言いたいけど、怖くて言えなくて……ごめんね。」
「すいちゃんは何も悪くないし。謝らないで大丈夫だよ」
もう何度目だろう。中学に入ってから誰かと仲良くなるたびに悪口を言われる。そんなに私の性格は悪いのかなぁ……。こうやって毎回すいちゃんが悪口のことを教えてくれるのだけど、そのたびにすいちゃんにも嫌な思いをさせてしまう。
「……私は絶対にいちかちゃんの悪口は言わないからね!」
「ありがとう。もう私にはすいちゃんしかいないよ」
――そう、私にはすいちゃんだけだ。
【すいside】
中学生になってから、いちかちゃんと別のクラスになった。そしていちかちゃんは私以外の子と仲良くなった。そのたびに私の心はモヤモヤしていた。
そんな時、私は偽造会話アプリを見つけた。内容を軽く打ち込みボタンを押すだけで、あたかも本当の会話をしているような文章が作られるのだ。私は、いちかちゃんと仲良くなった子と会話しているような文章を作ってみた。その子がいちかちゃんの悪口を言っている感じの文章を。それをいちかちゃんに見せたら信じて、相手と仲が悪くなっていった。私は嬉しくなって、何回も繰り返した。そして今「すいちゃんしかいない」って言葉をもらった。
「ありがとう。私もね、いちかちゃんだけだよ! ずっとふたりでいようね!」
いちかちゃんは一瞬、少し複雑な表情をした気がするけれど、微笑んで「うん」とうなずいてくれた。



