部屋を出てから、私はアミューズ声をかけた。
「アミューズ。今からサニアにも言いに行こうと思うのだけれど、いいかしら?」
すると、アミューズはいつもの鳥姿から人間へと変化して私の前に立った。
『もちろんでございます。ですが、良いのですか?主様自身が傷ついてしまうかもしれませんし…』
私を心配してくれているアミューズ見て、私は笑みをこぼした。
それから、彼の肩に手を置いて言った。
「大丈夫よ。後悔するのは、あの子の方だから」
私はそのまま廊下を歩き出した。
私の言葉に頷き、アミューズも後ろをついてくる。
また鳥姿に戻り、私の部屋着の袖に隠れた。
神殿の人たちは神の遺物を扱う人がいないわけじゃない。
こんな夜に会うことはなだろうけど、一応というところだろう。
そうしてサニアの部屋に向かう途中、私は声をかけられた。
「あら、ムクじゃない!どうしたのっ?私に用があったの?」
振り返れば、そこにはろうそくを手に持ったサニアが立っていた。
私はいつも通り笑って返事をする。
「ええ、貴女に言いたいことがあってね。えっと…部屋に入れてくれる?」
「もっちろん!こんなところで立ち話じゃ、ちょっと怖いもんね!」
そう言って笑ってくれるサニア。
この笑顔に今まで騙されてたのだと思うと、反吐が出る。
だから、ちょっといじわるをしてあげないと…ね?
私の企みに気がつかないサニアは、そのまま私を部屋に入れた。
「あ、紅茶淹れるね?」
「ううん。大丈夫だよ。すぐに終わるから」
そう言うと、サニアは不思議そうに首を傾げた。
「うーん、そうなの?まあ、ムクが言うならそれでいっか!じゃあ、座ってよ」
「うん。ありがとう」
私は平然とイスに座った。
それから、サニアも私の前に座る。
それを確認してから、私は言葉を発した。
「私、1週間後にここを出ていくことになったの」
「えっ?ど、どういうこと!?あ…」
声をあげた後、サニアは気がついたようだった。
私が青き血2位の力を持っていれば、魔術塔に行くという事実を。
「今日は両陛下に謁見してきたの。それでね、魔術塔に行く義務があるって言われちゃって」
「じゃあ…ムクは魔術塔に行っちゃうの?」
心配したようにいうサニアに、思わず冷たい視線を向けてしまうところだった。
きっと裏では、「なんであんたなんかが魔術塔に…!!」と思っているはずだからだ。
わざとらしいわね。
けれど、私はそれに気がつかないふりをした。
「いいえ。私は皇宮に行くことになったのよ。セア様の婚約者としてね」
「え…、ど、どういうこと?セア様って、第四王子殿下様のことでしょ?」
私はゆっくり頷いた。
あせってるわね。
その姿を見て、私は笑いそうになった。
サニアは気がついているはず。
私がセア様と婚約するということは、私が次期皇后陛下であり皇太子妃になるという意味であることを。
サニアが黙っているわけないじゃない。
「そうなの。セア様って黒魔法使いでしょう?だから、私のことをよく理解してくださるの。だから、セア様の支えになりたいと思って」
一瞬、サニアは悔しそうに顔を歪めた。
私はその瞬間を逃さなかった。
けれど、サニアはすぐに表情を戻してニヤッと笑った。
言われることはだいたい想像がつくわね。
「え〜?でも、第四王子殿下様って言えば暴君って噂だよね?ムクってば、かわいそ〜!だって、脅されちゃったんでしょ?」
予想はしていた。
でも、実際に言われるのは——。
「あら、そうなの?セア様が暴君…ね。私にはそんなふうには見えなかったのだけれど」
「は?」
「それに、今セア様を侮辱したのよね?」
「え…!?ち、違っ…!」
私の言葉に、あせりを見せたサニア。
皇族の悪口は侮辱罪ということで重く扱われ、時には死刑にされる場合もあるとか。
まあ、全て噂だけれどね。
「サニア、覚えておいて。セア様を侮辱したら、私が貴女を罪に問うわ。私は皇太子妃になるんだもの。それくらいは簡単でしてよ?」
サニアの顔は青ざめていた。
私はほんの少し口角を上げる。
サニアとは、もう親友でもなんでもない。
ただの復讐相手。
だから忠告をして、私の方が上ってことを見せつけてあげなくちゃ。
「それでは、ごきげんよう。おやすみなさい、サニア」
私はそのままドアを閉めて部屋を出ていった。
ほんの少し忠告をしてから、皇宮に移りたかった。
ただそれだけのわがままだったの。
『主様、強くなられましたね』
「まあ…強くならなくては、復讐なんてできないでしょう?」
ここがおそらく、私とサニアの対立点だったのだろう。
『ご無理はなさらないよう、お願い致します』
アミューズは私の震える手を見て、そう言った。
恐ろしかった。
今でも、サニアとアラン様には恐怖を覚えてしまうのだ。
怖いわけがなかった。
「あんたなんか、あんたなんかさっさと死ねばいいのよ…!!なんなのあいつは!?いきなり反抗してきて!!絶対…やり返してあげるんだから」
「アミューズ。今からサニアにも言いに行こうと思うのだけれど、いいかしら?」
すると、アミューズはいつもの鳥姿から人間へと変化して私の前に立った。
『もちろんでございます。ですが、良いのですか?主様自身が傷ついてしまうかもしれませんし…』
私を心配してくれているアミューズ見て、私は笑みをこぼした。
それから、彼の肩に手を置いて言った。
「大丈夫よ。後悔するのは、あの子の方だから」
私はそのまま廊下を歩き出した。
私の言葉に頷き、アミューズも後ろをついてくる。
また鳥姿に戻り、私の部屋着の袖に隠れた。
神殿の人たちは神の遺物を扱う人がいないわけじゃない。
こんな夜に会うことはなだろうけど、一応というところだろう。
そうしてサニアの部屋に向かう途中、私は声をかけられた。
「あら、ムクじゃない!どうしたのっ?私に用があったの?」
振り返れば、そこにはろうそくを手に持ったサニアが立っていた。
私はいつも通り笑って返事をする。
「ええ、貴女に言いたいことがあってね。えっと…部屋に入れてくれる?」
「もっちろん!こんなところで立ち話じゃ、ちょっと怖いもんね!」
そう言って笑ってくれるサニア。
この笑顔に今まで騙されてたのだと思うと、反吐が出る。
だから、ちょっといじわるをしてあげないと…ね?
私の企みに気がつかないサニアは、そのまま私を部屋に入れた。
「あ、紅茶淹れるね?」
「ううん。大丈夫だよ。すぐに終わるから」
そう言うと、サニアは不思議そうに首を傾げた。
「うーん、そうなの?まあ、ムクが言うならそれでいっか!じゃあ、座ってよ」
「うん。ありがとう」
私は平然とイスに座った。
それから、サニアも私の前に座る。
それを確認してから、私は言葉を発した。
「私、1週間後にここを出ていくことになったの」
「えっ?ど、どういうこと!?あ…」
声をあげた後、サニアは気がついたようだった。
私が青き血2位の力を持っていれば、魔術塔に行くという事実を。
「今日は両陛下に謁見してきたの。それでね、魔術塔に行く義務があるって言われちゃって」
「じゃあ…ムクは魔術塔に行っちゃうの?」
心配したようにいうサニアに、思わず冷たい視線を向けてしまうところだった。
きっと裏では、「なんであんたなんかが魔術塔に…!!」と思っているはずだからだ。
わざとらしいわね。
けれど、私はそれに気がつかないふりをした。
「いいえ。私は皇宮に行くことになったのよ。セア様の婚約者としてね」
「え…、ど、どういうこと?セア様って、第四王子殿下様のことでしょ?」
私はゆっくり頷いた。
あせってるわね。
その姿を見て、私は笑いそうになった。
サニアは気がついているはず。
私がセア様と婚約するということは、私が次期皇后陛下であり皇太子妃になるという意味であることを。
サニアが黙っているわけないじゃない。
「そうなの。セア様って黒魔法使いでしょう?だから、私のことをよく理解してくださるの。だから、セア様の支えになりたいと思って」
一瞬、サニアは悔しそうに顔を歪めた。
私はその瞬間を逃さなかった。
けれど、サニアはすぐに表情を戻してニヤッと笑った。
言われることはだいたい想像がつくわね。
「え〜?でも、第四王子殿下様って言えば暴君って噂だよね?ムクってば、かわいそ〜!だって、脅されちゃったんでしょ?」
予想はしていた。
でも、実際に言われるのは——。
「あら、そうなの?セア様が暴君…ね。私にはそんなふうには見えなかったのだけれど」
「は?」
「それに、今セア様を侮辱したのよね?」
「え…!?ち、違っ…!」
私の言葉に、あせりを見せたサニア。
皇族の悪口は侮辱罪ということで重く扱われ、時には死刑にされる場合もあるとか。
まあ、全て噂だけれどね。
「サニア、覚えておいて。セア様を侮辱したら、私が貴女を罪に問うわ。私は皇太子妃になるんだもの。それくらいは簡単でしてよ?」
サニアの顔は青ざめていた。
私はほんの少し口角を上げる。
サニアとは、もう親友でもなんでもない。
ただの復讐相手。
だから忠告をして、私の方が上ってことを見せつけてあげなくちゃ。
「それでは、ごきげんよう。おやすみなさい、サニア」
私はそのままドアを閉めて部屋を出ていった。
ほんの少し忠告をしてから、皇宮に移りたかった。
ただそれだけのわがままだったの。
『主様、強くなられましたね』
「まあ…強くならなくては、復讐なんてできないでしょう?」
ここがおそらく、私とサニアの対立点だったのだろう。
『ご無理はなさらないよう、お願い致します』
アミューズは私の震える手を見て、そう言った。
恐ろしかった。
今でも、サニアとアラン様には恐怖を覚えてしまうのだ。
怖いわけがなかった。
「あんたなんか、あんたなんかさっさと死ねばいいのよ…!!なんなのあいつは!?いきなり反抗してきて!!絶対…やり返してあげるんだから」



