だけど、
「武部さん」
高橋くんに呼びかけられて、頭の中でカタチになりかけていたパズルが、崩れてバラバラになってしまう。
なにを思い出そうとしていたのか、それさえもよくわからない。
「ごめんね、待たせて」
「うん」
駆け寄ると、高橋くんがにこっと優しく笑いかけてくれる。
隣に並んで笑い返すと、高橋くんが誰も見ていないのを確認してからわたしの手をとった。
「帰ろう」
軽く繋いだ手を引かれて、心臓がバクバク音をたてる。
高橋くんは、こういうの慣れてるのかな。
そっと横目に見上げたら、足元に視線を落とした高橋くんの頬もほんのり赤くなっている。
それを見たら、慣れてるわけじゃなくて、勇気を出してわたしの手をつかんでくれたんだってことがすぐにわかった。
心臓バクバクなのは、高橋くんもきっとおんなじ。
嬉しくなって、ふふっと笑う。そのとき。
『しあわせにね、紗良ちゃん』
風にのって、優しい声が聞こえたような気がした。
知らないはずなのに聞き覚えがあるような。なつかしい誰かの声。
「武部さん」
高橋くんに呼びかけられて、頭の中でカタチになりかけていたパズルが、崩れてバラバラになってしまう。
なにを思い出そうとしていたのか、それさえもよくわからない。
「ごめんね、待たせて」
「うん」
駆け寄ると、高橋くんがにこっと優しく笑いかけてくれる。
隣に並んで笑い返すと、高橋くんが誰も見ていないのを確認してからわたしの手をとった。
「帰ろう」
軽く繋いだ手を引かれて、心臓がバクバク音をたてる。
高橋くんは、こういうの慣れてるのかな。
そっと横目に見上げたら、足元に視線を落とした高橋くんの頬もほんのり赤くなっている。
それを見たら、慣れてるわけじゃなくて、勇気を出してわたしの手をつかんでくれたんだってことがすぐにわかった。
心臓バクバクなのは、高橋くんもきっとおんなじ。
嬉しくなって、ふふっと笑う。そのとき。
『しあわせにね、紗良ちゃん』
風にのって、優しい声が聞こえたような気がした。
知らないはずなのに聞き覚えがあるような。なつかしい誰かの声。



