「お、はよ……」
「おはよ……」
どちらからともなく挨拶はしたものの、なんとなくお互いにぎこちない。
気まずそうに目を伏せた高橋くんが、早足で席から離れて、教室の窓際に集まっている男子グループの輪に入っていく。
「おはよう、楓真」
「おはよう」
友達に話しかけられた高橋くんの顔からは、わたしの前で見せていたぎこちなさが消えていた。
「楓真、おはよう」
高橋くんが男子グループの輪に加わると前田さんや彼女と仲の良い女子たちが集まってきて、教室が少しにぎやかになる。
前田さんたちに「おはよう」と笑いかけている高橋くんの表情は明るくて、わたしと目を合わせたときとは全く態度が違う。
楽しそうな高橋くんを見て、胸がズキッと痛くなった。
「どうしよう。わたしが変なメッセージ送ったから、キモいって思われたんだ……」
への字に曲がった唇から漏れた声が、少しだけ涙交じりになる。
「変なメッセージって?」
「昨日の夜、高橋くんにメッセージを送って失敗した」
机に伏せると、わたしはユーコにだけ聞こえるように昨日の夜のことを話した。



