わたしの秘密のキューピット


 捻挫した右手首はもうほとんど痛まなくなっていて、一週間後には包帯がはずせる。

 ケガが治れば、高橋くんにノートを頼まなくてもよくなる。

 だからユーコは、「接点があるうちにもっと仲良くならないと!」って、毎日言ってくる。

 学校に行くとユーコがすぐにすっ飛んできて、「昨日は連絡できた?」と開口一番に聞いてくるのだ。

「できてない」と答えると、そのあとは授業が始まるまでずっと、ユーコが本気トーンの声で責めてくる。

「今日こそは連絡するんだよ。このままじゃケガが治ったあとそのまま接点なくなっちゃう。もうすぐ三学期も終わっちゃうよ」

 今日の放課後も、腰に手をあてたユーコに何度も何度もそうやって念を押された。

「そうは言ってもなぁ」

 メッセージを送る相手が高橋くんだと思うと、友達に送る以上にいろいろと考えてしまう。

 素っ気ない文章だとよくないし、なれなれしすぎてもよくないし。

 でも、このまま高橋くんと話せなくなるのは嫌なんだよね。

 ノートを見つめながら、高橋くんとの関係が元に戻ってしまうことが嫌だと本気で思っていることに驚く。

 ただ見てるだけで充分って思ってたはずなのにな。