わたしの秘密のキューピット


 ユーコは本気で好きだったら行動を起こせるはずだと言っていた。

 だけど、それが簡単にできたら苦労しない。

 誰もがみんな「好き」の気持ちだけで動けるわけじゃない。

「好き」の気持ちだけで動けるのは、自分の見た目に自信がある子たちだけだ。

 卑屈だと言われても、わたしはやっぱりそう思っちゃう。

 わたしと小春の会話をそばで聞いていたユーコが、呆れ顔でため息を吐く。

 何を思ったのか、ユーコはわたしから離れると、廊下の窓をすり抜けてどこかに飛んでいってしまった。

 わたしのことなんて、きっともう面倒見切れないって思ったんだろうな。

 自信も勇気もないわたしのところには、ユーコはもう戻ってこないかもしれない。

 残念だけど、それならそれで仕方がないと思った。

 高橋くんと両想いになるなんて、そもそも初めから叶うはずのない夢なんだもん。

 遠ざかっていくユーコの半透明の後ろ姿を見つめて、わたしは小さくため息を吐いた。