「あのグループ、いつも朝からにぎやかだよねー」
小春が楽しそうに笑っている高橋くんや前田さんのグループを見つめて、眉を下げる。
小春はやさしいから、高橋くんが他の女の子と楽しそうにしているのを見てわたしが傷付いてるんじゃないかって気にしてくれているのだろう。
「小春は、ああいうクラスの中心グループに入りたいって思う?」
前田さん達のグループに視線を向けながら尋ねると、小春は微妙そうな顔で首を横に振った。
「わたしはあんまり思わないかな。前田さん達の仲間に入れてもらったとしても話が合わなさそう」
「だよね」
小春は人あたりが良くてクラスメートの誰とでも仲良くなれるタイプだ。
だけど、性格も見た目もあまり派手ではない。
わたしと一緒で、平穏に無難に学校生活を楽しめたらいいと思っているような子だ。
「だったらさ、もしあのなかに小春がすっごく好きな人ができた場合どう? 前田さん達のグループの女子を差し置いて、好きな人にぐいぐい話しかけていく勇気ある?」
「ない……、かな。そんなことしたら生意気だっていじめられそうじゃない?」
「だよね」
「あのグループの誰かを好きになったとしても、憧れて見てるだけしかできないよ。どうせ相手にしてもらえないってわかってるし」
「うん」
「あ、でも……。紗良が高橋くんのことを好きなのがダメって言ってるわけじゃないからね」
「わかってるよ」
わたしの気持ちを知っている小春が、慌ててフォローしてくれる。
もちろんわたしは小春と同意見だから、別に嫌な気持ちにはならなかった。



