わたしの秘密のキューピット


 ふいに現れたユーコの姿を見た瞬間、わたしは小春から聞いた四時四十四分のキューピットの話を思い出した。

『もし恋を叶えてもらったら、その代償に、キューピットになにかひとつだけ自分の大切なものを渡さないといけない』

 可愛い女子中学生みたいな格好をしているけれど、ユーコはおそらくウワサの四時四十四分のキューピット。

 そして、その正体は学校のユーレイ。

 99人の片想いを成就させなければ成仏できないと言っていたのは、もしかしたら、成仏するために99人分の魂が必要って意味だったのかもしれない。

 ユーコはきっと、わたしの片想いに協力するフリをして、最後にわたしの魂を奪うつもりなんだ。

 考えれば考えるほどに勝手に妄想が膨らんでいってしまって、ユーコの顔をまともに見れない。

 見えないフリをして無視していれば、どこかに行ってくれるだろうか。

 どうせわたしの高橋くんへの片想いが実を結ぶ可能性なんてないんだから、わたしの魂は諦めてほしい。