わたしの秘密のキューピット


◇◇◇

 二時間目の授業は英語だった。

 テンション高く、元気いっぱいに「グッモーニン、エブリワン」と挨拶してくる先生に、クラスメートたちが全く意気の合っていないばらばらな挨拶を返して席につく。

 先生の指示を聞きながら教科書とノートを開いていると、わたしの右隣の席にいる高橋くんが机の中に手を突っ込みながら少しそわそわとしていた。

 高橋くんの机の上には、ノートと筆箱が出ているけど教科書がない。もしかして、教科書忘れちゃったのかな……。

 心配しながらこっそり様子を見ていると、耳元でふわっと空気が揺れた。

「紗良ちゃん、チャンスだよ!」
「ふぇっ……?」

 急に聞こえてきた声に、思わず椅子から飛び上がりそうになる。

 声がした左側を見ると、一時間目が始まる前に消えたきり姿の見えなかったユーコがふわふわ浮いていた。

 これまでどこにいたのだろう。