わたしの秘密のキューピット


 そういえば、昨日出会ったときも言っていた。

 ユーコは『この学校で片想いをしている子たちの、恋を応援するユーレイ』だって。

 だけど、99人の子の片想いを成就させるとか、調査だとか、いまいちよくわからない。

「あの、さ。昨日から気になってたんだけど、99人の子の片想いを成就させるってどういうこと? それって、ユーレイの仕事みたいなもの?」
「うーん、仕事っていうより、これはあたしが成仏するために与えられてる課題かな」

「課題?」
「そう。生きてた頃の記憶はあんまりよく覚えてないんだけど、あたし、失恋が原因で死んじゃったみたいなんだよね。だから99人の片想いをしている子の恋を成就させて未練を解消するまで成仏できないみたいなんだ」

 ユーコが、そこそこ重ためなんじゃないかと思う話を笑顔でさらっと打ち明ける。

「え、99人ってすごく大変じゃん」

 生きているときのユーコは、それほどの人数の恋を成就させないと浮かばれないくらいに未練の残る失恋をしたってこと……?

 明るく笑うユーコからは想像できない話に、少し複雑な気持ちになる。

「最初はなかなかうまくいかなくてすごく大変だったよ。だけど、四時四十四分のウワサが少しずつ広まっていったおかげであたしも事前に動きやすくなったし、目標人数までもう残りわずか。だから、紗良ちゃんにも頑張ってもらわなくちゃ」

 ユーコがそう言って、胸の前でガッツポーズを作る。