わたしの秘密のキューピット


「ガッカリだよー。これまでに、何十人もの片想いを成就させてきたっていうのに。まだあたしの存在を知らない子がいたなんて」

 両頬に手を当てて、ムンクの叫びみたいな顔をしてる女の子。

 そんな彼女の足元を見ると、床から三十センチくらい浮いていた。

「ひっ……」

 びっくりして、思わず声にならない悲鳴をあげる。

 人が浮いてるって、やっぱりおかしいよ。

 この子、ほんとうにユーレイなんだ……

 そうでなきゃ、これは夢。現実で人が浮くなんとあり得ないもん。

 怖いから、どうか夢であって……!

 ほっぺたに指をあてると、おもいきりぎゅっとつねる。

 その瞬間、

「言っとくけど、夢じゃないよ。紗良ちゃん」

 女の子がわたしの名前を呼んだ。